病棟勤務に憧れて

 

病棟の看護師たちは、病室にいる患者さんに対してできる限りの看護を提供したいと思っています。患者さんと深く関わりたいという理由で病棟勤務を選ぶ者は少なくありません。その勤務を通して、看護師として成長していきたいと思っているのです。
病棟勤務が自分の適職であり、病棟が自分の居場所だと思っている看護師もいるかもしれません。そんな人にとっては、病棟自体がパワースポットのように感じるのでしょうね。病棟で働くこと自体が、自分を高めると考えるのかもしれません。実際、病棟勤務になってから、実にイキイキと働いている看護師もいます。病棟勤務だと、患者さんとも顔見知りになっていきます。そして、その患者さんの病気が完治して退院した時には、嬉しい反面、寂しい気持ちもあります。一方、担当した患者さんが亡くなった時は、とても辛いです。それでも顔に出さずに仕事をしなければなりません。その厳しさが、看護師が転職をする割合の高さに表れているのではないかと思います。
長年病棟勤務をしている看護師は、病棟勤務を始めた当初を思い出すことがよくあります。私もよくあります。そんな時は、今の自分があるのは過去に担当した患者さん、その後家族、先輩や同僚のおかげだと考えます。この職場に来たことが、自分の人生を劇的に変えたのではないかとさえ思います。働きながらそんな感情を体感できる仕事は少ないと思います。